公共交通機関に求められる顧客満足度指標を知ってリピーターを獲得しよう!

2018/07/30
Takeshi Ambiru
その他業界 ブログ

業種の特徴上、直接的な営業をしにくい業種である公共交通機関は、「ひたすらお客様が来てくださるまで待つしかできない」、「顧客満足度を向上させようと従業員努力を重ねても、なかなか売上につながらない」と業種だと考えている人も多いはずです。このように一見、顧客満足度と売上の相関が薄いように感じる公共交通機関ですが、実はその2つが非常に強く結びついていることをご紹介していきます。顧客満足度向上のためのポイントを理解して、しっかりリピーター獲得できる公共交通機関を目指しましょう。

公共交通機関と売上の相関関係

公共交通機関といった場合、一般的に思い浮かべるのは通勤や通学に使われる公共交通機関ではないでしょうか。しかし、今回の記事では通勤通学ではなく、「観光で利用される」公共交通機関の場合に絞ってご紹介します。というのも、通勤通学の場合は顧客の好む・好まざるに関わらず日々利用しなければならないため、顧客満足度と売上の相関が薄いと考えられるからです。

対して観光用の公共交通機関はその観光地の中でもどこに行くか、どの様な経路で行くかは選ぶことができるため、顧客満足度が高ければまた利用してくれたり口コミで広がったり=売上との関連が深いと考えられます。再び観光地を訪れる際に、以前利用したときの顧客満足度が高ければ以前に利用した公共交通機関を再度利用したいと考えるはずだからです。

観光地の公共交通機関の場合、販促手法としては旅行代理店とタッグを組む、テレビやWeb・SNS、ポスターなどの広告マーケティングなどが功を奏さなければ、売上にインパクトがある程の顧客を新たに呼び込むことは難しいと考えられます。また、性質上路線の場所などを変更することも難しく、利用客の顧客満足度が上がらないと売上の増加につなげられる要素が少ないといえるでしょう。そのため、顧客満足度を上げ、再度訪れてもらえる公共交通機関にすることが重要になってくるのです。ではそんな観光地の公共交通機関の中で、顧客満足度を上げるポイントとしてはどのようなものがあるのか、次の章でご紹介していきます。

公共交通機関の顧客満足度ランキング

公共交通機関の中で、海外からの旅行者が使うことが最も多い空港。日本の中で顧客満足度が高いといわれているのが、羽田空港・関西国際空港・成田空港です。空港利用客の顧客満足度が高まる要因としては清潔さ・お土産など商品の豊富さ・レストランなど食事環境の数と質・椅子や充電設備などのアメニティの充実度合いなどさまざまな指標があります。

満足度が高い空港として世界ランキングのトップにランクインすることが多いチャンギ国際空港は、シンガポールの空港。シンガポールへの旅行者以外にも、乗り継ぎに使う旅行客が多い空港(通称ハブ空港)として知られています。チャンギ国際空港が評価されているポイントとしては、植物を使った美しい建築・アメニティ・食事だけでなく、映画館・スパなど乗り継ぎ客に対する環境・設備が充実していることも顧客満足度を上げる大きな要因といわれています。

最近日本で人気になっている観光用鉄道としては、九州のクルーズトレインである「ななつ星」が挙げられます。「ななつ星」は1泊2日、3泊4日のプランがあり、18万円~125万円までと高価格帯で展開していることで有名です。展望用の大きな窓やこだわり抜いたデザインが素敵な内装、ピアノの生演奏、一流の訓練を受けたクルーのサービス、地元シェフの素敵な食事、バーカウンターでのお酒などを楽しみながら列車の旅を楽しめるため、予約が取れないほど人気となっています。
顧客が価値を感じられるサービスが受けられるのであれば、高価格帯であっても顧客満足度は高く、リピートしたいと思う顧客を増やせる良い実例といえるでしょう。

公共交通機関に求められる顧客満足度指標とは

観光で利用する公共交通機関の場合、その目的地である観光地が栄えていたとしても「固定の公共交通機関をまた利用したい」と思われなければ、利用客の減少は避けられません。観光という非日常で感じる顧客満足度には、どのような要素が含まれているのでしょうか。(鉄道や航空会社、バスなどの公共交通機関を想定して列挙しています。)自社の提供するサービスが以下の各要素についてどの様な品質で提供できているかどうか、1つずつチェックして見てください。

・路線の場所や間隔
 顧客が訪れたい場所やその近辺に停留所や駅があるか
・運行ダイヤの間隔
 顧客が訪れる場所の時間にあった運行ダイヤがあるか
・駅売店などの設備
 駅近辺・構内などに便利な売店設備があるか
・正確な運行
 イベントごとなどを予約している顧客も多いことから、ダイヤ通りの正確な運行がなされているか
・快適性 (座席・混雑・空調などの環境面)
 座ることができる混雑度合いか、座席や空調などの設備が整っているか
・運賃
 運賃は高すぎないか
・安全性
 乗車する際の安全性には問題ないか
・顧客対応
 顧客対応のレベルがどうか
・チケット購入の利便性
 チケット購入の際、券売機などが設置され、待ち時間が多くないか
・食事のクオリティ
 公共交通機関内の食事や構内レストランの食事クオリティや数などが満足できる内容か
・手荷物の扱い
 手荷物などを管理される場合、扱いが乱暴でないか
・多言語対応
 日本語以外の言語で会話ができるクルーがいるか

仮に自分が他の公共交通機関の乗客として利用する場合も、上記のようなことが気になるはずです。これらの各要素に観光地という要素と、自社の置かれた立場や強みなどを掛け合わせ、どのようなポイントに留意すれば自社の顧客満足度を高めていくことができるのか、少し考えて見ましょう。

例えば多言語対応などで考えれば、東北の観光バスではIoT翻訳機を導入し、外国人観光客に対するコミュニケーション改善を図るという取組みを行っているところや、肥薩おれんじ鉄道などのように食堂車としてシニア層を取り込み、息を吹き返した列車もあります。
肥薩おれんじ鉄道の場合、熊本地震でまた予約が激減してしまった時期もありましたが、その後地元フレンチを起爆剤に予約を取り戻しました。他にも地元特産物が買える企画、海までの道を散策できるように整備して顧客の楽しみを増やすなど、さまざまな取組みを同時に行って各社が顧客満足度を上げる努力をしています。

顧客満足度の高い公共交通機関は顧客が求める内容を正確に捉えて改善策を実行していることが、成功要因となっているのではないでしょうか。

成功を生む顧客満足度はどう測れば良いのか

このように成功の種がたくさん詰まっている顧客満足度という評価は一体どのように測っていけばいいのでしょうか。一人ひとりの顧客と会話し、意見を集めることができれば一番なのですが、現実的ではありません。そんなときには下記4つのポイントを押さえた、顧客満足度測定ツールを導入するのがおすすめです。人の代わりに測定ツールが顧客の声を集め、どのように改善すべきかのヒントを与えてくれます。

1.測定場所
公共交通機関の場合、どの場所で顧客の不満・満足が生まれたのかを知ることができなければ、顧客が利用のどの過程で不満や満足を感じたのかを知ることができません。場所ごとに必ず測定できるようにしておき、不満の原因究明・改善に役立てましょう。鉄道であれば駅(券売機、インフォメーションセンター)、電車内、降車口のホームなどで、空港であればチェックインカウンター、セキュリティーゲート、インフォメーションカウンター、入国審査場、手荷物受取所などです。

2.測定時間
場所と同じく測定時間についてもいつ顧客の不満・満足が発生したのかを把握することができなければ、顧客満足度を上げるポイントを知ることができません。何故なら一般的な課題・問題は定期的に発生するので、その問題が発生する時間の傾向を捉えることが重要なのです。きちんと時間データを集約できるものを選びましょう。

3.顧客によるフィードバックのしやすさ
測定ツール導入で忘れがちなのが、顧客が簡単にフィードバックできるかどうかです。従来の顧客満足度を測るやり方は大抵がアンケート用紙への記入またはインタビューで、どちらも顧客側に大きな手間をかける手法となっています。簡単に数秒でフィードバックを伝えられるツールを導入すれば、より多くの顧客からフィードバックを得ることができ、それを今後の改善に活かせます。

4. データのリアルタイム性
従来のアンケートの問題点は、データの計測から社内で分析までに1ヶ月以上など多くの時間がかかることです。社内でデータを分析する頃には計測された問題・課題が解決または変異していることも往往にしてあります。一方、測定データをリアルタイムで見ることができれば、スタッフが顧客満足度の状態を常時チェックすることができます。この情報を生かして業務改善やクレーム対応のために活用することも可能です。

顧客満足度アップで確実なプロモーションを!

観光地の公共交通機関に求められる顧客満足度の指標を知って、リピーターを獲得するための方法をご紹介しました。立地や環境を変えることが難しい観光用公共交通機関においては、顧客満足度を上げることが一番確実なプロモーションの一つとなります。顧客が利用してくれたときの一瞬でその公共交通機関の印象が決まってしまうということを良く意識した上で、有効な顧客満足度計測ツールを導入しリピーターの獲得ができる公共交通機関を目指してはいかがでしょうか。