AIが「同僚」になる時代 ─ 中小企業の社長が実際に使ってみた話

2026/03/22
社長ブログ

こんにちは、アロハワークスの代表を務めている安蒜です。

前回のブログでは、n8nというツールを使ってCSVをアップするだけでHubSpotに自動登録する仕組みをご紹介しました。あれから約半年、AIを使った自動化まわりの技術は恐ろしいスピードで進化していまして、最近では「AIが同僚のように仕事を手伝ってくれる」状況が現実のものになってきました。

今日は、私自身が実際にAIツールを業務に取り入れてみて感じたことを、中小企業の経営者目線でお話ししたいと思います。

2025年は「AIエージェント元年」でした

2025年は業界で「AIエージェント元年」と呼ばれました。それまでのAIは「質問すると答えてくれるチャット」だったのが、「指示を出すと自分で調べて、考えて、実行してくれる」ように進化したのです。

例えば以前なら「来週の出張の移動手段を調べて」と聞くとおすすめの時刻表を教えてくれる程度でした。今のAIエージェントは、カレンダーを見て空き時間を確認し、移動時間を逆算し、最適なプランを提案、そして頼めば新幹線等の予約までやってくれます。まさに「気の利くアシスタント」です。

小さく始めてみた ─ 当社の実践例

当社のような少人数の会社では、一人が何役もこなす必要があります。広告宣伝も営業も制作も事務作業も。その中で「自分でなくてもいい作業」「自分が苦手とする作業」をAIに任せることで、お客様と向き合う時間を増やせないかと考えました。

私は最近、Anthropic社の「Claude Cowork」を業務に取り入れ始めています。カレンダーやドキュメント管理ツールと連携して事務系の業務を幅広くサポートしてくれますし、開発現場でも一部のエンジニアがAIコーディングツール「Cursor」を使い始めています。実際に試してみた活用例をいくつか挙げます。

① 議事録の要約とToDoリストの自動作成
打ち合わせの内容をメモまたはオンラインではレコーディングしておけば、AIが要点をまとめ、誰が何をやるかを整理してくれます。さらに、次のアクションを自動的にToDoリストに登録してくれるので対応漏れが減りました。商工会議所青年部関係の会議が多い私にとっては本当に助かっています(笑)

② 開発現場にもAIの波が来ている
当社はWeb制作・ウェブアプリ開発が本業です。正直なところ、開発チームへのAI導入はまだ道半ばですが、一部のエンジニアがCursorなどのAIコーディングツールを使い始めたところ、コードレビューやリファクタリング、テストコードの生成で明らかに生産性が上がっています。2025年にStack Overflowが実施した開発者調査では、すでに76%の開発者がAIツールを使用中または導入予定と回答しました。開発の現場でAIを使わないという選択肢は、急速になくなりつつあります。

③ カレンダーやドキュメントを横断した情報整理
Coworkを使うと、Googleカレンダー、Google Drive、Notionなどを横断的に見て、「今週の予定と関連資料」をまとめてくれます。会議前の準備がぐっと楽になりましたし、過去の資料を探す手間も大幅に減りました。

「使い方のルール」を先に決めた

ただし、AIを業務で使うにあたって、当社が比較的早い段階で実施したのは「使い方のルールを決める」ことでした。実は当社では、社内向けに「生成AIの利用ガイドライン」を策定しています。昨年初版を作成し、先日バージョン2に更新したばかりです。

このガイドラインでは、利用を許可する生成AIサービス(ChatGPT、Claude、Geminiなど)を明示したうえで、以下のようなルールを設けています。

入力してはいけない情報を明確に定めている
お客様の個人情報、NDAで守られた秘密情報、当社の機密情報は、生成AIに入力することを禁止しています。ISMSの認証も取得している当社としては、ここは外せないポイントです。

AI生成物を「そのまま」使うことを制限している
顧客向けの成果物や、メール・チャットの文章をAIだけで作成してそのまま使うことは禁止しています。必ず人の手で加筆・修正するか、人が作った他の要素と組み合わせるルールです。

生成物のクオリティチェックを徹底している
AIの出力には不正確な情報(ハルシネーション)が含まれる可能性があります。法令違反や不自然な表現がないか、必ず人間の目で確認することを義務づけています。

「AIを使うこと」と「AIに丸投げすること」は全く別物です。特に中小企業は信用が命ですから、ガイドラインで線引きをしておくことは、社員の安心感にもつながります。当社のガイドラインは6ページ程度のシンプルなもので、作成にそこまで時間はかかりませんでした。これからAIを本格的に導入される企業さまには、こうしたルール作りを最初の一歩としておすすめしたいです。

「専門人材がいない」は、もう言い訳にならない

東京商工リサーチの調査によると、生成AIを活用している中小企業はまだ全体の約25%にとどまっています。活用しない理由の第1位は「推進するための専門人材がいない」(55%)だそうです。

正直に言うと、私自身もエンジニアというほどの人間ではありません。でも今のAIツールは、専門知識がなくても使い始められるものが増えています。大事なのは「完璧にやろう」としないこと。まず一つ、日常の面倒な作業をAIに任せてみる。そこから始めれば十分です。

むしろ、経営者自身が触ってみることが一番の近道だと感じています。AIで成果を出している企業の約6割は社長自らが推進しているというデータもあります。トップが「これいいね」と言えるかどうかで、組織の動き方がまったく変わります。

まとめ:ルールを作って、小さく始める

中小企業にとって、AIは決して遠い世界の話ではなくなりました。高額なシステムを導入しなくても、今あるツールで十分に業務を効率化できます。当社でもまだ試行錯誤の最中ですが、確実に「人を増やさなくてもできることが増えた」と実感しています。

お勧めしたいのは、闇雲に使い始めるのではなく、まずは簡単にでもガイドラインを作ること。何を入力してよくて、何がダメなのか。AIの生成物をどこまで信用していいのか。そのルールさえあれば、社員も安心してAIを活用できるようになります。

DXの導入率は43%まで上がってきましたが、成功率はまだ21%という調査結果もあります。大がかりに始めるから失敗するのであって、ルールを決めて、小さな自動化から一歩ずつ進めていくことが成功の鍵だと、自分の経験からも強く感じています。

「うちでもAIを使ってみたいけど、何から始めればいいかわからない」
「ガイドラインの作り方を教えてほしい」
そんなお声をいただくことが増えています。
業務の棚卸しからガイドライン策定、自動化の設計まで、お気軽にご相談ください。

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