サブスクリプションビジネスモデルが万人向けか考えてみた

2019/10/10
社長ブログ

サブスクリプションビジネスモデルが活況です。大企業(B2CやB2Bも例外なく)も多くが今ビジネスモデルの転換を検討しており、早いところはもうすでに実際にスタートをきっています。なかでもトヨタが始めたKINTOというサービスは車という大きな買い物のサブスクということで今年の初めから大変注目されています。

当社も毎月定額の料金を法人様からいただくスタイルでビジネスしているので、サブスクリプションビジネスについて大変興味があり、ここ3ヶ月程度は書籍を何冊か読んでみたり、ウェビナーを受講したり、イベントに申し込んだり、動画を見たりして勉強して参りました。中でもZuora創業者兼CEO Tien Tzuo氏が言い切っている「全てのビジネスはサブスクリプション化できる」ということに関して、本当にそうなのかずっと考えてきました。そして本日ある1つの結論に辿り着きましたのでこちらに書き記しておこうと思い久しぶりにブログを開いた訳です。

結論から申し上げると、確かに多くのビジネスはサブスクリプションビジネスモデルに転換することができそうですが、全てのビジネスが転換可能というわけではまったくなく、特に我々中小企業にとっては大幅にビジネスモデルと規模、やり方を変えなければ実現は困難だということがわかりました。

何故そのような結論に至ったか、それは消費者目線ではなく、小規模事業主目線でこのビジネスモデルについて考えたからです。Zuoraの紹介動画(SUBSCRIPTION ECONOMY)にもありましたが、これまでの社会では事業者は商品を中心に物事を考えていました。どうしたらより多くの製品を作り、より多く売ることができるかというのが指標だったということで、お客様について真面目に見つめて来なかったということです。この考えからシフトして今後はお客様目線で考えていこう、というのがサブスクリプションビジネスモデルの根本に存在します。例えばギターメーカーのフェンダーが「お客様はギターを買いたいのではなく、バンドで歌いたいのだ」というような考えにシフトしたように他の企業もお客様が本当に望んでいるものは何かを考えようということですね。

確かに消費者の立場に立ち、周りを見渡してみると、私たちの周りにある商品の多くは使われる際にその魅力が最大限に発揮されます。所有自体にはほぼ価値がないばかりか保管コストなどを考えるとネガティブな側面も持ち、それよりも利用することに重きをおこう、非物質化してサービスとして利用するということが今の時代の流れの中でとても自然に受け入れられている考えで、この流れは今後も続くでしょう。そう考えると確かに多くの企業がサブスクリプションビジネスにシフトすることもとても自然であとはどのように変換していくのかについて先例などから学び実践していくというのが今の大きなビジネストレンドになっています。

ただ私たちは大企業ではなく、中小企業で、多種多様な生態系を有しています。その殆どがこの時流に乗ることができるのかを考えた時に、私はNoと考えました。今トレンドとなっているお客様視点で物事を見ようということ、突き詰めるとどの程度お客様の時間やリソースを奪えるかの戦いということに繋がります。サブスクリプション時代の寵児NetflixはTVと戦い、AmazonPrimeは楽天や小売業から多くのシェアを奪っています。サブスクリプションビジネスモデルは、お客様とどれだけ長く付き合えるかという視点(顧客生涯価値:LTV)が最重要KPIともなっています。LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間なので、この1つ1つが低いビジネスはサブスクリプションビジネスモデルに向かないということが言えます。

多くの中小企業は、単価が低く、一度で取引が終わるようなビジネスを営んでいます。例えば観光地のおみやげ屋さん、駄菓子屋さんなどは既存のビジネスのままではサブスクリプション化は大変困難であると言えます。それではそういったビジネスは、サブスクリプションモデルではなく、従来からある薄利多売のビジネスを続ければ良いのでしょうか…?この結論は私の中ではまだ出ていません。誰か教えてください。

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